私がパノラマ写真を撮り始めたのはフィルムカメラの時代(1966年以降)からです 当時は、自分で「引き伸ばし」したプリントを物理的につなげていました デジタル記録カメラが登場して、画素数競争と共に機能詰め込み競争が始まると 殆んどのカメラにパノラマ写真の撮影アシスト機能が付く様になりました カメラに付属のパノラマ合成ソフトを使って合成していました 最近のカメラやスマホはシャッターを押しながらパンすると連写した画像をつなげてくれます (SONY α7IIの場合は 180度までは撮れない、あまり速くパンするとカメラに叱られます) 今や(2016年)、2個の魚眼レンズで全天球の写真や動画を撮影する 「360度全天球カメラ」 が 4万円を切る価格で買える時代です(但しレンズや画像加工の問題で画質はあまり期待できない) ここでは一般のカメラで撮影した画像を合成してパノラマ写真を楽しむ方法に付いて紹介します 以下に示すパノラマ写真は合成ソフトによって作成しました 出来上がるパノラマ写真の画質は、元画像の画質次第です 広角レンズを持ち合わせていない時でも複数の写真を撮っておけば後で合成できます 古いフィルム時代に撮影した写真も、合成ソフトによって綺麗につなぎ合わせることができました 合成・加工サンプル 高校の体育大会 (昼休みの自由時間)・私の一番古いパノラマ写真 (1966年)
1と2の間は27年、2と3の間は15年の変化が写っています 共通に写っているもの 左半分の奥の巨大工場、中央の高圧送電鉄塔、右奥2軒の民家の屋根 機材の変遷 [1]35mmフィルムカメラ [2]コンパクトデジカメ(2Mpix) [3]ミラーレス一眼(16Mpix)
これらの道具があった方が、正確な写真を速く無駄なく撮影できます 三脚 カメラを水平に固定するために必要です パノラマヘッド 三脚とカメラの間に入れ、カメラを水平に一定角度振りながら撮影できます 水平線(地平線)に正確に合わせるため、写真の様な水準器付きが便利です 水準器 (パノラマヘッドに付いていない場合)
360度パノラマを撮影する時は、広角レンズを使った方が少ない枚数で済みますが 極端に短い(例:f=18mm)と、周辺の画像の歪みが大きくて、綺麗に合成されません 28mm相当位までが良さそうです そのため、上下に広い範囲を写したい時は、カメラを縦長に構えて撮る様にしています 3D(立体)写真でパノラマ撮影する場合は1枚の横長画面に2枚(左右)の画像を 撮影してアナグリフ合成するために必然的に縦長画像になってしまいます 自動機能(AFや露出など)は固定するか、マニュアルに設定する 撮影途中で条件が変わると合成する時うまくつながらないので、予め固定します コンパクトデジカメの場合は、シャッターを半押しのまま角度を変えて撮影していました
私の場合は、「AutoStich」が一番気に入っています (「Microsoft-ICE」よりも) 「Microsoft-ICE」の場合、 Structured panorama で毎回 元画像の Layout を指示してやらないと 勝手に無茶苦茶な順序で無理やり接続してしまいます Overlap も毎回 Auto overlap ボタンを押して検出させる必要がある様です インストール時に、別途 VisualC++のランタイムパッケージのインストールも必要です 「Windows-LIVE (Photo Gallery のみインストール)」の場合、 接続部は、ただの切り貼り(混ぜない)なので、つなぎ目がクッキリとしていて良く目立ちます 設定方法が分からない(設定メニューが見つからない)のでうまく使えません
このパノラマ写真の場合、中央部の2枚のつながりが悪く、何れのソフトもここでズレが発生しました 上の画像は縮小なしで 100%表示していますが、パソコンの画面一杯に表示(横スクロール)して見る場合は長さで 1/10位に縮小して見ますのでそれ程目立ちません 下の画像は約 1/40ですが、クリックすると別画面で拡大した自動スクロール画像を表示します 360度パノラマを合成する場合 「360度と 0度のつながり部分」に付いて 元画像の最初と最後の画像をつないだ部分は、画像の中央にきます 画像の左端と右端は、元画像の中央位で撮影した部分です 360度以下のパノラマ画像の場合 元画像の最初の画像が左端となり、最後の画像が右端となるパノラマ画像が出来ます 上の例で ICE の「Less than 360°」の場合 360度以上の画像ができますが、左端と右端の画像濃度は調整されないので 360度ちょうどでつないでも、画像の形はつながりますが濃度が異なり不自然です
ダウンロードとインストールは特に難しくはありません
(上記サイトで紹介されている設定内容から大幅にシンプルになっています)
パノラマ合成する時は、合成したい写真を全て選択して開くだけです
合成が完了すると、結果が(システムで設定している)ビューアで表示されます 不備のある写真は合成されません(全ての写真に不備が有れば合成は行われません)
1.次の様な場合は合成できません(全ての合成ソフトで共通です) (1)合成する写真の重なりが不足の場合 (2)視点が異なる写真
(1)通常は 横幅の約20%位を重ねて撮影しています 広角レンズの場合は周辺の歪が(パノラマ合成用には)大きいので合成できない場合があります たとえ合成できても、つなぎ目のズレが大きくて見苦しくなってしまいます そのため広角レンズでは重なりを多く(50%位に)して撮影しておきます こうすれば画像の両サイドを切り取っても重ね代が残り合成することができます (2)理想は、カメラのレンズの中心を支点にしてパンします 自分を中心にして、液晶モニタを見ながら手を伸ばしてパンするのはやめ、 せめてビューファインダを見ながらその場回転します 近景がある場合は特に厳密に撮影しないと合成できない場合があります 2.合成後の画像(ファイル)サイズが大きくなると処理時間が(気が遠くなるほど)長くなります 私の場合、非力なパソコン(Celeron 1.9GHz 2GBRAN Win10)なので 1枚の画像 5472×7296=約40百万画素(約17MB)× 11枚(360度) 合成後画像 32363×7756=約251百万画素(約40MB) 合成時間 約3時間(ビューアで開くにも数分かかる) 合成処理中は、他のソフトは動きません(カーソルさえも動かせないタイミングがある)
3.縦方向のパノラマの場合、上端又は下端が異常に広がった画像になる場合がある
4.超広角レンズで撮影した写真の合成で、つながらない場合
5.重なりが大きな写真の合成で、思った位置でつながらない場合
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